ゆうゆうと流れる雲を自由に遊ばせる青空の下、
そんな空を見上げながら、原っぱに足を投げ出して話をしていれば、急に彼女はこう言った。
「タオさんって、雲みたいですよね〜」
思わず隣で空を見上げる彼女を見た。
「…そうですか?」
雲…か。初めて言われたなぁと思った。
ナマケモノならあった気がする。…やっぱりヒカリさんは不思議な方だと思った。
「はい〜。ほわほわふわふわです〜のんびり気ままな感じです」
ゆるりとこちらに顔を向けて柔らかく笑いながら堂々答えた彼女に、
慣れたと思った心臓も、ゆるやかに目眩をおこす。
「そうですか…なんだか照れてしまいますねぇ。」
へにゃりとゆるむ頬に暫し考え事
言おうか言うまいか。
いやせめて…これくらいなら
「ヒカリさんはコスモスのようですね。」
「コ…コスモスですか?!」
驚いて赤くなった彼女に頬笑みながら
「ええ、台風に薙ぎ倒されても必ず自力で立ち上がるあの強さ。それでいてゆらゆら揺れる感じ…
可憐さを兼ね備えた柔らかい強さです。」
「っえぇっ…そうですか?て、照れますね…!!!」
照れを隠すように頭を掻く真っ赤な彼女
あぁ、いいなと思った。
こうやって和やかに
隣で彼女と笑って過ごせたら
私はそれだけで幸せです
青い春の春
‐愛らしい、花‐
だから、コスモスが私の好きな花というのは、まだ内緒にしておこう―…。
22.10