月日が経ち、私は卒業した。
高校には進まないと言ったら担任の先生は泣いた。何も変わっていない世界に、だけど舞姫はいなかった。
適当に入った高校では、皆が私を受け入れてくれた。
居場所のあるクラス、返ってくる笑顔、人気者の後輩、私に懐いたギャルめな後輩、私の為に泣いてくれた友達、安全な教室、足取りの軽い通学路。
幸せな世界が、そこにはあった。だけどその世界には、舞姫は存在しなかった。
だから私は手紙を書いた。届く筈のない手紙を何通も何通も。
 

でも私は気付いた。彼女の正体に。
きっと彼女は私に幸せを運んできてくれたんだ。
私に居場所をくれたんだ。
その役目を終えたから、彼女は私の前から姿を消した。
 
あぁ、ありがとう、ありがとう舞姫。
きっとあなたは今も1人泣く子に寄り添っているのでしょう。
 
見上げた空は青い空、白い雲。そして燦然と輝く太陽。
綺麗な空に彼女へのお礼を告げて、私は一歩踏み出した。
さようなら、
呟いた言葉は頬を流れて風に消えた。
 
 
 
幸せの踊り姫
‐あぁ、幸せはそこにあった‐
 
 
 
 
北校舎に咲くオドリコ草。今日もそこには彼女に祈りを捧げる行列がある。
 
 
 
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はぁ長かった!


お付き合いありがとうございました!






22.11

舞姫は私の神様です。
ありがとう舞姫、
私は今とっても幸せです。