やりのこしたことはないか、   201201

今この瞬間にも、カウントダウンは始まっているのかもしれないのに。

やりのこしたことはないか

のこしたいことはないか

のこさなければならないことはのこしたか

それじゃあ、いっしょにはしろうか。



理系彼女のひとりごと
  201201


あなたに硫酸化されたい




   201201

触れようと手を伸ばしたら、
予想よりも高かった。

ただ、それだけなのに。



いる  201112

人のために泣いている人がいる時に、

他人(ひと)は自分のために泣いている

人間ってそんなもんよね

お前も人のために泣けるやつになればいいなと苦しそうに笑ったあの人は、いつも人のために泣いていた。

――

私は薄情者だから そんなの知らないけど



そうなんだろうなって思う。
   201112


君の屍体に書かれた詞は


きっと僕への哀しみの詞。

ねぇ、知ってる、うたにはすごい力があるんだ。



雨は好きじゃないんです  201112



引きつるように不自然に震える心臓は、
きっと涙を流してる



何か足りないの、
  201111



片方だけの手袋




愛されるために生まれてきたのにね、
  201111

もちろん、君だって。

きみにうたった愛の歌、
空に滲んで溶ければいい

そうしたら、きっと君に届くだろう。



無題  201110

「さみしい」って
言ったあなたの目に
何が映っているのかわからなくて
とっさに手を伸ばすことができなかった

ごめんね
ごめんねごめんね

こんなにまっすぐに私のこと見ててくれたのにね
目をそらしたのは私だったんだね

ごめんね、ごめんね
ごめんなさい
ごめんなさいごめんなさい

なんのために生きるのかわからないんだったら
私のために生きてください



地球は回ってるみたいです  201111

太陽って、どうしてあんなに沈むのが早いんだろう
眺めているうちにあっという間に消えてしまう
昼間のうちは、少しも動く素振りを見せないくせに
まるで、一刻も早く世界を暗闇に落とそうとしているみたいで
時々怖くなる
けれどそれと同じように
眩しいくらいあったかい光を携えて姿を見せるのも早くって
あぁ、まだ世界も捨てられたわけじゃないんだなって思う

病室で見た空は狭くって窮屈で追いやられてかわいそうだった
それでも負けずに隅っこで光る星空が
私は好きだった気がする

この部屋から見た空はでこぼこしてる
ガタガタして、きっと触ったらざらざらしてる
それなのに月はまん丸くなる
太陽も月も、世界中のどこから見てもきっと同じ形してるんだろうなって思った

雲が流れると、地球は丸いんだなって見えてくるよね