※これも大分昔のものです…とてもひどい←
「で?で?誰が好きなのよ〜?」
「あー!もう言うよ!言うから!………あの筋肉バカだよ…!」
きゃーと黄色い歓声が弾けたオカリナ亭のテーブルにはこの島の女子達10人が集まっていわゆる恋バナをしていた。
「あーっ恥ずかしいっ!今日は暑いねっ!」
お菓子がずらりと並ぶテーブルの上に腕を投げ出して顔を扇ぐ
金髪が綺麗なキャシーは、ちらりとヒカリを見た
「んーそういえば、さっきからヒカリは何も言わないけどっ、なんかないのかい?」
真正面の席から見つめられてしまったヒカリは、アイスレモンティーを啜るストローをいじる動作を止めた。
「っ、え。」
間抜けな声が出てしまった彼女は
急にふられた話に戸惑うにしては赤すぎる頬。
「あー!いるんだぁ☆誰誰ー!?」
いち早く反応したマイが身を乗り出す。
「うぁっ…いな、いないですよぅ…!!」
がしがしがし。意味もなくストローでグラスの中を掻き混ぜる彼女の目は右往左往。泳ぎまくっていた。
「あら、私知ってるわ。」
なんてことないように言ったのは、幼い見目に反してしっかり者のルーミだった。
その言葉に一同腰をあげ、食い付いた。
「えー!なんでだいっ!?」
「誰なのー!?☆」
「や、いませんてば…っ!」
「最近あなた、教会に通ってるみたいだけど?」
にやっと口端を不敵に上げ、ヒカリを見るルーミの目はどこか楽しそうだった
うぐっ、と言葉をつまらせたヒカリにマイは「確かにぃ!」とうんうん頷いていた。
「……ははぁん…?」
にやっ。またひとり、不敵に 俯くヒカリを見る眼差しが増えた。何かに気付いたようであったキャシーのものだった。
他の女子達も次々と気付きだしたようで、にやにやとヒカリを眺めた
「えー!なに、なにー!?」
わかんないよーと狼狽えるマイは、1人だけ状況が掴めていない様子。
「まぁ、つまり私が思うに、」
「あんたが好きなのは―…」
ルーミとキャシーが口を揃えて来た言葉にヒカリは、はっ!と顔を上げる。
「魔法使―…」「きゃあぁあぁあぁっ!!!!!!!!」
息ぴったりで告げられた名前を叫び声で掻き消すヒカリは、見たことがないくらい真っ赤だった
「うふふあらあらヒカリさん、茹でダコみたいですわよ」
「はぁあっ!?マジで!?アンタ趣味悪いわねー!」
「えー!!そうだったんだー☆!」
アニスや魔女様、他の女子も口々に冷やかした。(魔女は嫌悪の表情で見ているが)
ぐるぐると目を回すヒカリを魔女以外全員が温かーい目でほのぼのと見ていた
もうしばらくオカリナ亭は和やかに騒がしいだろう、と
そんなことを思う、春の昼下がり――…
女子が集まれば
‐ごまかすなんて、できっこない‐
あの魔法使いが教会に通いだしたのはヒカリが通いだした日と同じ日というのは、しばし内緒で